2014年12月12日金曜日

ひさかたの 天見るごとく 仰ぎ見し



ひっそりとした島の石坂に、小さな教会を見上げながら古いお寺が軒を連ねていました。 
坂に点々と置かれた石灯篭も印象的です。

天雲に 近く光りて 鳴る神の  見れば畏し 見ねば悲しも 
年月も いまだ経なくに 明日香川  瀬々ゆ渡しし 石橋もなし 

 万葉集


2014年11月12日水曜日

懐かしい風景 - 茅葺の里

 

http://stardustenglishwriting.blogspot.jp/2011/12/picturesque-thatched-houses-hamlet-kita.html
Click on the photo to see more about the village of thatched-roof houses.

 

薄霧がかかる北山杉を背景にした山麓の傾斜地に立つ約50個の集落では38個が茅葺屋根。
寛政8年(1796)築の最古の家をはじめその多くが江戸時代中期から末期の建築です。
丈の高い入母屋造りの屋根と神社の千木のような飾りが特徴です。

 

2014年10月18日土曜日

夢の浮橋とだえして 峯に別るる横雲の空



かつて有数の捕鯨基地だった生月島(いきつきしま)への橋です。 今はひっそりと・・・、隠れキリシタンの島です。 

 わたすべき 数もかぎらぬ 橋柱  いかにたてける 誓ひなるらん 
皇太后宮大夫 俊成    新古今和歌集



 

2014年10月2日木曜日

あかあかと 日はつれなくも 秋の風



" さまよいの果て波は寄せる "    ( 『悲しいほどお天気』から 松任谷 由美 1978 )  
ゆらゆらと往く影を見ながら、ふとこの曲を思い出しました。 


 秋きぬと 目にはさやかに 見えねども  風の音にぞ おどろかれぬる 
藤原敏行  古今和歌集 秋歌




2014年9月20日土曜日

柳橋慕情 東京下町 #01




隅田川を行き交う屋形船が、静かに係留されています。 時代に取り残されたようなこの場所を、枝垂れ柳の横で眺めていました。 


はやせ川 みをさかのはる うかひ舟  まつこの世にも いかかくるしき   
崇徳院 御製  千載和歌集


2014年9月6日土曜日

桐一葉 日当たりながら 落ちにけり



山の上から裾野まで、そして、隣の山々まで。 見渡す限りの棚田です。 

昨日こそ 早苗取りしか いつのまに  稲葉そよぎて 秋風の吹く 
秋歌上  読人しらず  古今和歌集


葦原の 瑞穂の国を 天下り 知らしめしける すめろきの 
神の命の 御代重ね 天の日継と 知らし来る


2014年8月17日日曜日

別れ端や 笠手に提げて 夏羽織



静かな島に突如、鮮やかな装束が現れ、賑やかな鉦の音が響き渡ります。 
若者達が顔を隠して舞う一行の後には、また元の、夏の静寂が漂っていました。 


 榊葉に ゆふしでかけて 誰が世にか  神の御前(みまえ)に いはひそめけん
 よみ人しらず   神楽歌   拾遺和歌集 



2014年5月6日火曜日

春から初夏へ - 京都大原にて


http://stardustenglishwriting.blogspot.jp/2014/05/the-path-leading-to-sanzen-in.html

爽やかな風にふかれ三千院への呂川沿いの小路を歩いているとこの建物に出会いました。
去りゆく椿と光の中に輝く新鮮な紅葉の緑、窓ガラスに映り込んだ景色に魅了されました。

2014年3月4日火曜日

今は春べと 咲くやこの花




源氏物語の歌の舞台にもなった、古代から続く神社の境内。 今年も静かに春を迎えます。

冬ながら  空より花の  ちりくるは    雲のあなたは  春にやあるらむ
   清原 深養父 (生没年不詳 平安時代中期)


2014年1月31日金曜日

長々と 川ひとすじや 雪野原



秋田には、趣のある温泉が沢山あります。 乳頭温泉郷 孫六温泉への道 

 駒とめて そでうちはらう かげもなし  佐野のわたりの 雪の夕ぐれ
 藤原 定家